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インハウスリスティング運用を失敗と成功の事例から分析!

リスティング広告ガイド<上級編> Vol.3

インハウスでリスティング広告を運用することは、実際の販売方針を反映させやすい、業務時間の配分に融通が利きやすいなどのメリットがあります。しかし、リスティング広告は専門的な知識が少なからず必要となる分野ですので、教育に時間がかかったり、他の業務のために確保できるリソースを圧迫したりといったデメリットも相当分あります。ここでは、実際にインハウスでリスティング広告を運用した企業の、失敗事例と成功事例を見ながら、自社にとってリスティング広告をインハウスとするべきなのか外注とするべきなのかを分析してみましょう。

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3つの失敗事例

失敗事例1:A社の場合

リスティング広告は、専門としている企業がかなりの数存在していますが、どこに依頼してもかかってくるのがマージン手数料です。
運用報酬という言葉が利用される場合もあります。
いずれにしろ、外部の企業に作業を依頼するわけですから、それなりのコストが必要になります。
リスティング広告自体も広告費という安くないお金がかかりますし、コスト削減のためにリスティング広告をインハウス化する企業も多いです。

A社もそんな企業のひとつ。しかし、A社の場合、リスティング広告をインハウス化した途端、CPAが極端に悪化してしまいました。
突然リスティング広告運用に任命されたスタッフは、マーケティングの知識はある程度あったものの、リスティング広告の運用のノウハウはほとんど持ち合わせていませんでした。
あれこれと情報収集を行い勉強を行うものの、マーケットの状況になかなか追いつくことができず、リスティング広告運用のパフォーマンスを低下させてしまったのです。

A社の場合、リスティング広告の専門的な知識が、担当する方に不足していたのが大きな失敗の要因と分析できます。

失敗事例2:B社の場合

リスティング広告は、Webマーケティングを行う上で、なくてはならない要素と捉える人も増えてきたようです。
そのため、リスティング広告の専門的な知識を、個人で学習したり、企業の研修で学習し会得している方も多くなってきました。

とはいえ、リスティング広告にまつわる知識が、専門的な知識であることは確か。
いざリスティング広告運用に詳しい人が新たに必要となった場合に、そう都合よく現れてはくれないというのも現実なのです。
また、まったく何も経験が無い人がいきなりリスティング広告を任せられると、経験を積んだ人とパフォーマンスにおいて大きな差が出ることがほとんどです。

B社もそんな典型的な問題を抱えてリスティング広告の運用に失敗した企業のひとつ。
企業Bでは、もともと個人的にリスティング広告を運用しておりスキルを持った人がリスティング広告の運用を担当していました。
その方が運用していた際は、好調なパフォーマンスでリスティング広告が運用されており、売り上げにもしっかりと貢献していました。

問題が発生する契機となったのが、そのリスティング担当の方の退職。
内部で引き継ぎ業務が行われましたが、引き継ぎを行った先の社員は、リスティング広告の経験がほとんどない方だったのです。
上層部の方は引き継ぎを丁寧に行えばなんとかなると考えていましたが、やはりリスティング広告の運用には専門的な知識とある程度の経験が不可欠。
パフォーマンスは極端に悪化する事態となってしまいました。

失敗事例3:C社の場合

リスティング広告はあくまでもWebマーケティングの一環であり、リスティング広告だけを完璧に行えたとしても、それだけで売上は安泰かと言われると、決してそういうわけではありません。
リスティング広告はサイトがあって初めて成り立つものですし、その他のマーケティング手法を絡めてこそリスティング広告の真価というものが発揮されるものなのです。

C社は、もともとは自社でWeb系のサービスを運用していた企業です。
もともとはSEOなどのお金をかけない方向性のWebマーケティングを行っていたのですが、売上をさらに向上させるために、リスティング広告の運用に力を入れることとしました。
しかし、ここでのC社における判断ミスは、普段Webの運用やSEOの運用に携わっているスタッフにリスティング広告の運用を任せてしまったこと。
何度か書かせていただきましたが、リスティング広告は専門的な知識が必要になることが多く、付け焼刃の知識で挑むと思いの外時間が取られてしまうものなのです。

C社は、もともとWeb関係のリソースがカツカツだったということもあり、リスティング広告をはじめたことにより、かえってWebサイト自身やSEOにおけるパフォーマンスが低下してしまいました。

3つの成功事例

成功事例1:D社の場合

一般的に、多くの広告費を必要とするキャンペーンであればあるほど、代理店に依頼したときのマージンは大きくなる傾向にあります。
そのため、大規模なキャンペーンを行う場合は、代理店に委託するよりも、インハウスで広告運用を行った方がコストという面では助かるものです。

D社の場合も、そういった考え方から、リスティング広告の運用をインハウスでまかなおうと検討していました。
しかし、D社の場合、リスティング広告の専門的な知識を持ったスタッフが十分に揃っていないというのが課題でした。
そこでD社が採った戦略は、リスティング広告を外注するのではなく、インハウスという体制を採りつつも、コンサルティングという形で助言を受けながら運用をサポートしてもらうという契約を結びました。

その結果、キャンペーンの成績は好調だったうえ、社員にもナレッジが残り、その後のキャンペーンにも活用することができたということです。

成功事例2:E社の場合

リスティング広告はディスプレイ広告や純広告といったほかの広告媒体、また、Webサイト自体のクリエイティブ改善や運用方針改善といったことで向上するパフォーマンスによって大きく成果が変わってくる広告媒体です。
そのため、リスティング広告のことだけを考えていては、売上の向上という観点から考えると逆効果になってしまうこともたびたびあります。

過去の経験からそのことを理解していたE社は、リスティング広告に長けたスタッフを新たに採用し、リスティング広告に特化したチームを編成。
また、その他の広告を扱うチームやWeb制作のチームとも密に連携を取れるよう、窓口となるスタッフを置き、リスティング広告自体のパフォーマンスの確保とその他要素との連携を両立させることに成功しました。

成功事例3:F社の場合

リスティング広告の代理店は、そのほとんどが最低広告費という概念を定めており、あまりにも少額のリスティング広告運用は受け付けてくれてくれないものです。

そのため、リスティング広告をWebマーケティングの主軸とするのではなく、あくまでもキーワード調査やテストマーケティングのような補助的な役割として位置付けていたF社は事実上、インハウスという選択肢しかとることができませんでした。

しかし、F社は、リスティング広告のWebマーケティングにおける役割を明示的に定めていたため、リソースが想定以上に膨れ上がることがなく、専任のスタッフにより問題なく運用を行うことができたのです。

自社サービスの立ち位置が把握できているのか

自社サービスにおいて、リスティング広告がWebマーケティングにおいてどのような役割を果たすのかを、あらかじめしっかりと検討しておくことは思いのほか重要です。

例えば、少額の商品を扱うECサイトの場合は、Webサイトのクリエイティブさえしっかりしていれば、リスティング広告単体でも十分売上に貢献させることが可能でしょう。
しかし、高額の商品を扱うサイトや法人向けの場合は、リスティング広告だけでコンバージョンに結び付けることは難しいことがほとんどです。リマーケティング広告で記憶の再起を図ったり、純広告で認知の向上やブランディングを行う必要があるケースも出てくるでしょう。

ひとくちにリスティング広告をインハウス化するといっても、前者と後者では、その方針に大きな差が出てきます。

担当者がどれだけリスティングのために力を注げるのか

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こうしたことを考慮にいれたうえで、自社サービスのWeb領域を扱うスタッフが、どの程度リスティング広告に専念しても問題ないかということを考えていきましょう。

極端な話、成功事例3のF社のような企業の場合、リスティング広告はあくまでも補助的なツールとしてしか利用していませんので、インハウスによりリスティング広告運用、かつその他の業務との兼業でも何ら問題は発生しないでしょう。
もし万が一そのスタッフの退職や異動が発生したとしても、リスティング広告の役割が明確な分、引き継ぎも大きな問題にならない可能性が高いです。

逆に、大規模なキャンペーンで、サイト制作やリスティング以外の広告にもしっかりとリソースを振り分けるべき場面では、リスティング広告を片手間で行うような姿勢は控えましょう。
キャンペーンが大規模になればなるほど、しっかりと検討されたリスティング広告専任のチームが必要になりますし、場合によってはリスティング広告のインハウス化を断念し、外部に運用を委託する方がうまくいくケースもあることでしょう。

リスティング広告の役割を明確にすることで、リスティング広告の運用をインハウス化するか外注するか、インハウス化するにしてもどのような方針を採るのかが見えてきます。リスティング広告の運用方針に迷っている方は、一度リスティング広告の役割についてしっかりと考えてみることをおすすめいたします。

ライタープロフィール

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スミ チェル《エリアシ副編集長》

前職の某通信系企業では主にBtoC向けのインターネット回線・ネットワーク・システム系業務を経験。
現在ではデジタル広告全般、BtoB企業を中心にデジタルマーケティング市場開拓・施策運用を担当。
高校時代から10年以上週1ペースでカラオケに通い続けおり、様々なオーディションにチャレンジしている。
体重が50キロ前後で周りからよく心配されており、肥える為に編集長と日々美食を求めている。

  • ※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
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