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思い切ってやめる!ムダなコスト。いつまで続ける?もったいない状況 ~ 実践的通販論

通販・ダイレクトマーケティングの基礎講座 〈vol.2〉

「人がものを買う」心理とは?

世の中のたくさんの人たちが商品を買うことによって、企業は売り上げを伸ばし成長していきますが、そもそも「人がものを買う」とはどういう心理に基づいているのでしょうか。
何らかの悩み(マイナス)を抱えていて、それをプラスマイナスゼロ(できればプラス)にしたい。「その悩みを解決してくれるのは、この商品だ!」と思ったときに、『買う』決心するのでしょうか。ときには、予算の面で諦めたり、デザインやサイズ等、他の悩みの方が優先順位が高かったり…。同じような商品が低価格で売っていれば、ブランドにこだわらずそちらを選択するかもしれません。要するに、「一筋縄ではいかない」ということです。
とくに、「もっと美味しいものを食べたい」とか、「毎日食べるお米だけど、もう少し甘みと栄養が欲しい。できれば、いまよりもプラス500円以内で」等、先ほどの『マイナスからゼロにしたい』という悩みではなく、こういった『普通の状態からプラスの状態』に持っていく“贅沢な”悩みの場合は、個人の嗜好やこだわりが関わってくるため、さらに難しくなると思われます。
では、消費者にどうやって商品を選んでもらえばいいのでしょう。それについて考えていきましょう。

『買う』という決断は、買う側にある

sojiki

顧客が求める「いまの悩みを解消する」、そんな商品はどこに売っているのでしょうか。結論から言うと、現代の社会では「どこにでも」売っていますし、誰でも資金さえあれば納得して買えると思っています。
極端な例ですが、「宇宙に行きたいという悩み」(ここではプラスの悩み)だって、資金があれば叶えられます。実際に、そんなツアーも販売されているそうです。
ここで、掃除機が欲しい人がいると仮定しましょう。そして、「吸込力が300Wあって、色はシルバー、価格は40,000円まで、使用電力は1回2円」という具体的なニーズを持っているとします。この人は、シルバーという色がなければ買うのを諦めるかもしれませんし、価格が42,000円だったら別のブランドの機種を選ぶかもしれません。
要するに、納得して買うのも、妥協して買うのも、さらにはどこで何を買うかということも、『買う』という決断そのものは、買う側にあることを絶対に忘れてはいけないのです。
そして、成功している通販企業とは、この『買う』という行為に対して解を求め続け、何万というPDCAを自らの投資によって実践して日夜研究を重ねている企業ではないでしょうか。

コスト? 手間? いまこそやめるムダなこと

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通信販売は、オンラインショッピングを中心に、買い物の方法として当たり前の存在になりました。世の中には、通販でしか買えない商品もあるほどです。
それでは、「通販で売る」とはどういうことでしょう。商品を知ってもらい、あるいは売場(ECサイトやテレビ等)に来てもらい、できればそこから検討期間に時間をかけずにそのままカートに商品を入れて、クレジットカード情報や住所等などを入力して送信してもらうところまで完結する。それが、「通販で売る」ということでしょうか。
ここで意識しておきたいのが、現在は一方的に商品を、とくに機能面のみをプッシュするだけでは誰も商品を買わなくなったということです。それは、インターネットで調べれば、それが自分に必要か、ニーズにあうかどうか、客観的な意見も参考にしつつ判断できるようになったから、というのが大きな理由のひとつです。ここでも、『買う』決断は買う側にあるのですね。
したがって、集客~購入までにかなりの広告投資を伴う通販やダイレクトマーケティングは、買う見込みのある人にだけ最大限のアプローチをするよう努力していく必要があります。
どういう悩み・心理状態にある人が自社のターゲットなのか、そしてそのパイはどのくらいの規模なのか。これも、幾多のPDCAで日々研究していくのです。
だからこそ同時に、無駄な投資がないかという観点でも常にPDCAをまわしてください。投資に対しての収益が低ければ、何度かのテストと検証の結果、その投資はやめる決断をするべきです。
「1年に100万円使う人」と「5,000円使う人」に、同じ内容のDMを送っていませんか? 同じ頻度でコンタクトしていませんか? 「毎月何か買い物をする人」と「もう3年間買い物をしていない人」、それぞれ人数は何人ですか?
これらを把握するだけで、あなたはDMの部数を減らす勇気を持てるかもしれませんし、頑張ってつくっているメルマガの内容も、買って喜んでいただける「本当の顧客」に向けた内容へと変化してくるかもしれません。投資対効果を検証し、第一歩としてムダなコストや手間になっていることを思い切ってやめてみるのは有効な打ち手と言えるでしょう。

ムダだけじゃない。
まだまだある、「もったいない」状況を解決する

ムダなことを思い切ってやめるのも重要ですが、一方で、「え? その状況、もったいないですよ」という場面にもよく出くわします。
たとえば、現在自社の通販事業以外で顧客と接点を持っているとしたら、これを活用しない手はありません。最も典型的な例は、店舗の顧客と通販顧客を別々に管理していることです。管理とは言わないまでも、通販で売っている商品を、店舗利用客におすすめしていない、あるいはECサイトがあること自体さえ告知していない、ということもあります。店舗での営業内容と通販で販売している商品がまったくかけ離れていればまだしも、すでに自社のファンになっている顧客に自社の別の商品をおすすめしない、というのは、非常にもったいないことだと思います。
もちろん、ここにはさまざまな理由や事情があるのもわかります。多くの場合は、組織的な問題です。店舗の管理者や統括責任者と通販の責任者が異なっていたり、お店の従業員にこれ以上別のオペレーション負荷をかけられない、といったケースもあります。
とくに、インターネットショッピングはまだまだ企業内で「新規事業」とみなされることが多く、発言権や会社への売上貢献度など、担当者や部署の立場の問題もあるようです。
とはいえ、店舗を中心とした商圏内ビジネスに対して、通販という無限の商圏をもつ事業は会社全体の売り上げを底上げすることができると信じて、なんらかの策を投じることはこれからますます必要となるでしょう。たとえば、店舗顧客から経由しての通販の売上はインセンティブを店舗につける等、Win-Winの関係、仕組みを取り入れることが考えられます。
投資が可能であれば、店舗顧客のIDと通販顧客のIDをひもづけてオンラインで管理する、というシステムの導入も効果的でしょう。投資にそこまでかけられない場合は、店舗に来られたお客さまだけが利用可能なオファー(割引やプレゼント)を準備し、通販で買い物をする際に対象者がわかるようにする、という方法もあります。
「オムニチャネル」という言葉が定着し始めてもう何年も経ちますが、購入する場所の選択肢をまだまだ企業側が限定し縛っているのが現状です。
そんな中、あるイギリスの百貨店では、店舗とオンラインショッピングで売上目標を個別に設定することをやめたそうです。また、某大手アパレル企業では、今後ワンフロアにマーケティングなどの主要なビジネス機能を集約し、実店舗と通販サイトを融合させた取り組みを行うそうです。
繰り返しになりますが、『買う』決断は買う側にあります。何をどこで買おうが、買う側の自由なのです。だからこそ、顧客に買っていただくことにつながる可能性が少しでも高いのであれば、さまざまな取り組みにトライしてみてはいかがでしょうか。

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ライタープロフィール

okino

沖野 充礼

株式会社電通西日本広島支社 ビジネスプロデュース室
携帯電話・酒類・公営競技・アミューズメント・食品メーカー様などなど、幅広い業種の、無限に広がるコミュニケーション領域を経験。
社内にオールラウンドプレイヤーとして存在が浸透した結果、現在は、「成果と向き合う」通販・Eコマースを中心に、会社からざっくり「新しいこと」をやってよいミッションを授かる。
最近ハマっているのは、偉人の言葉を受け売りして、後輩を育成すること。

  • ※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
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