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~40男のデジタル奮闘記 第4話~いまさら聞けないデジタルでBtoB?

~40男のデジタル奮闘記~ VOL.4

いまさらながらデジタル

第4話:いまさらながらBtoB

DMC部の人達

image1井之頭 結(イノガシラ ムスブ) 45歳 営業一筋、初めてWEBセクションに。

image2駒場 東(コマバ アズマ) 35歳 実直なアニキ肌。WEB系の能力高し。

image3吉祥寺 円(キッショージ マドカ)31歳 クールビューティー。WEBもOK!

image4神泉 豊(カミイズミ ユタカ)25歳 平成生まれのデジタルネイティブ世代。

image5渋谷 洋子(シブタニ ヨウコ) 23歳 帰国子女デジタルネイティブ。日本語苦手。

井之頭部長の同期

image6池尻 博(イケジリ ヒロシ)井之頭の同期。営業部長だがWEBの知識もOK。

新セクションが立ち上がり、井之頭はなんとか部署が機能し始めてきたことを感じていた。但し、同時に自分たちの向かうべき方向はこれでいいのか、道を誤ってはいないのかという不安も感じていた。
心の中のもやもやを解消しようと、井之頭は同期の池尻を夜の酒席に誘い出す。誘い出すといっても井之頭は騒々しい居酒屋くらいしかレパートリーがなく、店のチョイスは池尻にお任せになる。

仕事が終わり池尻に指定された場所に、住所を頼りに向かう。しかし、何だかどんどん繁華街から離れていって少し心細くなってくる。目立ったネオンも案内も何もない雑居ビルの7階が、池尻の指定だ。おそらくここだと思われる入口の分厚い木のドアを開けると、照明の少ない店内にぽつぽつと人影が見える。
ジャジーな音楽が流れる薄暗い店内では大きな声を出すのも憚れ、連れて来られた子供のようにオドオドとしていると、忍者のような黒い服の店員が声をかけてくれた。

「お待ち合わせですか?」
「は、はい。池尻という人と待ち合わせなんですが」
「池尻様ですね。かしこまりました、こちらへ」
「あっ、どうもスミマセン」
なぜか謝る井之頭。しかし、やっと池尻と対面することができた。

「おー池尻。ビビったよ。会えなかったらどうしようかと思ったよ」
やっと出会えたことに安心した井之頭が責めるように話す。
「そうか?でもいい雰囲気の店だろ。大好きなんだこの感じ」
「いや、それは分かるけどオレあまりこんな感じの店行かないから」
「そうなの?じゃあ和食系の方がよかった?」
「いや、そうじゃなくて。ここオネーチャンとか口説いてるとこじゃないの?」
井之頭は、あまりに落ち着き払った池尻にたまらなくなって、やっかみで揶揄する。

「口説く?フフ、そうかもしれない」

井之頭の茶々入れに余裕で答える池尻。その落ち着きっぷりに同性として悔しくなる。
そんな井之頭の様子を気にするそぶりも見せず池尻が切り出す。

「ところで、改まって相談ってなんだい。まあ大体察しはつくけどね」
「そうだよな。いまの悩みといえば一つだけだからな」
「新しいセクションの話だろ」
「うーん、そうなんだよねぇ」

池尻に図星をつかれた井之頭は、堰をきったように新セクションの立ち上げから今までのことを話し出した。

池尻は、軽く笑みを浮かべながら落ち着いた表情で井之頭の話を聞いていた。
そして一通り井之頭の話が終わると、悩むようでもなく「うーん」と少し目を伏せた。

「いいと思うよ。うん井之頭は間違ってない」
「そうか」
池尻に言われて、井之頭は途端に緊張がほぐれたのか、グラスに注がれていたビールを一気に飲み干す。

「でもな井之頭、BtoBの領域に踏み出すならそれなりの覚悟が必要だぜ」
「えっ、覚悟?」
「そう。今まで何もやってこなかった業界ってブルーオーシャンじゃないかって思う奴がよくいるだろ。それは間違い」
「何で」
「だってさ、BtoBの企業が今までやってきたことって、業界紙に年始の新聞の名刺広告や、ホームページ作ったりだったじゃない」

champagne

「確かにそうだよな」
「だろ。そういうところにコミュニケーション活動の必要性を理解してもらわなくちゃいけない。ましてやデジタルだぜ」
「むむむ、言われてみれば・・・」
「それに、何かしたいと思ったらまずコンサルとかに相談しちゃうだろうね。そうすると引っ掻き回されて何してんだか分からなくなる不幸なケースに陥る場合がある」
「それはダメだ」
「だからそうならないために、僕らはブランドの効用と必要性を説いてあげるんだ」
「ブランド?」
「そう、ブランド。ブランドが確立されて世の中から支持されるようになれば、おのずとBtoBのマーケットの中でも優位に立てるし、不毛な価格競争に巻き込まれることも避けることができる」
「そうか。そうだよな」
「インテル・インサイドのキャンペーンとか覚えてないか。インテルのマーケットはBtoBの産業財の市場だったが、ブランド訴求したのはBtoBtoCのCの部分、顧客の顧客、最終顧客なんだ」
「なるほど。でもいきなりメディア使ったキャンペーンなんかやってくれるかなぁ」
「無理だな」
「えっ・・・」
「というか、いきなりメディアなんか使わないだろう。だから僕らはデジタルのオウンドメディアを使ったコミュニケーションを提案するんだ」
「オ、オウンド?」
「自社が保有するメディアのことさ。たとえばコーポレートサイトやブランドサイト。メールマガジンとかSNSのアカウントとかだね」

Social Media Social Networking Technology Connection Concept

「そっかー」
「そのデジタルメディアの一つ一つを最終顧客との接点と考えて、行動パターンをイメージしてストーリーを創り上げていく」
「それ、オレらの部署の仕事じゃん」
「だろ。後は得意先がどんなときにコミュニケーションをしなくちゃいけないかを考えるんだ」
「どんなとき?」
「そう。BtoBの企業だって普通の会社だろ。だったら当然周年事業とか、新製品を開発したときとか、新規事業へ進出するときとか・・・、新卒採用とか」
「なるほど。コミュニケーションのきっかけとなるタイミングを捉えるんだな」
「正解。・・・ふーっ、授業はここまで」
「えっ」
「今日の飲み代の払いはオマエな。フフ」
「えっー、ここ高いんじゃないのか」
「フフ、そうかもしれない」
デジタル談義は時間が経つのも忘れて続いた。そして二人のオヤジたちの夜は更けていった、、、

【いまさらながらの文字解説】
BtoB:企業間取引 / Business-to-Business
企業間の商取引、あるいは、企業が企業向けに行う事業のこと。

BtoBtoC: Business-to-Business-to-Consumer
流通業、ソリューション・ベンダー、各種専門サービスなど、他の企業の消費者向け事業をサポートするような事業のことをいう。

産業財:生産財。ある財を生み出すために投入される財のこと。⇔消費財

ブルーオーシャン:概念 競争の激しい既存市場を「レッド・オーシャン(赤い海、血で血を洗う競争の激しい領域)」とし、競争のない未開拓市場である「ブルー・オーシャン(青い海、競合相手のいない領域)」を切り開くべきだと説く。

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プロフィール

wato

wato

出身は日本海側で幼少期から18歳くらいまでを過ごし、光を求めて上京。東京ではkyon2と仕事をするも、田舎者のため一言も声をかけられず撃沈。自分の田舎者ぶりを悲観しつつもなんとかマーケティングの達人になろうとしてマーケティングマスターの資格を獲得。しかし、ちょっと気を抜いてた間に世の中がWEBに席巻されて、驚愕しながら日々を過ごしている今日この頃。

  • ※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
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