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BtoB企業が見込み客情報を獲得するための魅力的なコンテンツとは?

~「新時代を生き抜くBtoBマーケティング入門」~VOL.4

失敗しないインバウンドマーケティングの進め方
~Convert編~

前回の記事では、「Attract(惹きつける)」について学びました。今回は、惹きつけた訪問客をリード化する「Convert」についてのお話です。その前に、前回のインバウンドメソロジーについて再度確認しておきましょう。

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前回、対象商品サービスの決定後に、ペルソナ設計、バイヤージャーニー設計を行い、バイヤーであるペルソナが困る時に検索するであろうキーワード設計を調べて、コンテンツ(内容)を考えてから、タイトルを設定するという流れの説明をしました。Attract段階での作業フローを整理しましたので参考にしてください。

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実際に進める前に:KPI設定を忘れずに!

コンテンツを発信する準備ができたら、PDCAサイクルを回すために効果指標を設定する必要があります。コンテンツページへのセッション(訪問)数、回遊状況を把握するPV数、メール開封率、メール文面のクリック率などを把握しながら、理想とするペルソナからの問い合わせの量と質を向上させていきましょう。

最もわかりやすいKPIは「問い合わせ件数」や「受注に至った顧客数」でしょう。なぜ受注に至ったのかというプロセスを知ることは、有益なコンテンツを発信し続けるために重要だからです。ちなみに、良いコンテンツを作成するために問い合わせ件数や受注に至った顧客数は当然重要ですが、そこだけを見ると直接的ではないが、間接的に受注につながった記事(アシスト記事)の傾向を見落とすことがあります。インバウンドマーケティングにおけるKPI設定項目やポイントとすべき指標はまた別の記事でご説明させて頂きますね。

Convirt成功への道:SETP1
魅力的なオファー(プレミアムコンテンツ)を作る

Free download

 オファーとはプロフィール情報を提供してでも入手したいと思うダウンロードコンテンツなどのこと。特典と言ってもいいかもしれません。よく使うオファーの種類は、ノウハウやテクニックなどをまとめたPDF資料であったり、ホワイトペーパー(白書)と呼ばれる独自調査資料です。ブログを主体としたコンテンツ記事でペルソナに「見つけてもらい」、役に立つと認識してもらうことが重要です。しかし、記事コンテンツのままだと上司に報告したり他の社員に説明する時にパワーポイントやワードにまとめる必要があります。こうしたペルソナの置かれている状況をイメージして「記事のダイジェスト版」などをebookとして活用するのもよいでしょう。重要なのは、自分のメールアドレスや所属している社名を入力してでも、ダウンロードしたくなるようなオファーであるということです。 多用されるのはebookや独自調査をまとめたホワイトペーパーとお伝えしましたが、この他にも様々な種類がありますので下記にまとめてみました。リード化を狙うターゲットや商品特性などに適したオファーを選びましょう。オファーのタイトルも考えてみましたので、ご参考に。

(オファーの主な種類とタイトル)

●ebook
(例)インバウンドマーケティングを成功させるためのコンテンツの作り方5つのポイント
(例)マンション管理組合の理事になった人のための虎の巻10選

●ホワイトペーパー(調査資料等の白書)
(例)広告代理店へ就職したい学生に向けた現役D通マン10名のアンケート調査結果
(例)100人に聞きました。「広島風お好み焼き」VS「広島焼き」どちらが正しい言い方ですか?

●チェックリスト
(例)グーグル担当者も驚いたリスティング広告のノウハウ10選
(例)アルバイトが気持ちよく働ける魔法の仕組み

●デザインテンプレート
(例)一流広告代理店のデザイナーが作った3分ぴったりにまとめる無料パワポプレゼンテンプレート
(例)有名写真家が作ったFacebookページデザインテンプレート用写真集10選

●動画でのセミナーや事例紹介(Webiner:ウェビナー)
(例)Wistia等のプラットフォームを使い事例を紹介。メルアド入力することで閲覧できる。
(例)招待性の動画セミナー案内
※Wisitaとはビジネス版Youtubeという言い方をしてもいいくらいリード情報を獲得するのに適している動画プラットフォームです。MAツールHub Spotと連携することができ、視聴時間の計測等も可能です。

<注意点>
プレゼントなどの無料インセンティブ系のオファーはやめたほうがいい!?

無料コンサルティングやセミナーなどはOKです。しかし、販促ツールのようなポストイットや、クリアファイルなどのインセンティブ、またはプレゼント系のインセンティブはおススメしません。理由はシンプルで、モノが欲しいという目的の人が多くなる傾向が強いからです。インバウンドマーケティングの重要なコンセプトは、ペルソナに有益性の高い情報を提供することで価値を感じてもらい、エンゲージメントを築くこと。モノでリード情報を釣るというような従来型のアウトバウンドマーケティングとは全く異なるのです。仮にモノで釣ったとして、一時的なリード獲得数は増加するかもしれませんが、受注に至ることはほとんどないでしょう。これは、BtoB企業の従来から行っている展示会運営の中で問題になっている名刺獲得が目的となってしまって、活用されてないこととほぼ同義です。

Convert成功への道:SETP2
オファーは「Give&Give」に徹する

Excited businessman working on computer in his office

オファーを制作する際のポイントは、ペルソナが自身のプロフィール情報を提供してでもダウンロードしたくなる内容かということです。近年、資料ダウンロードを促し、メルアドを取得するサイトが増加しているのはご存じでしょうか。しかし、実際に資料をダウンロードしてみるとがっかりするようなebookも少なくありません。インバウンドマーケティングは、「本質的に、ペルソナに対して有益な情報を提供すること」を目的とします。例えば、あなたがBtoB企業に勤務しているペルソナの立場になって考えてみましょう。展示会だけでは新規顧客獲得に限界を感じており、新しいマーケティング施策を導入する必要がある、と感じているとします。あなたは決済権を持ってないため、上司や上長に説明をする必要があります。しかし、説明をするにも書籍を読んでください、と言うわけにもいきません。新しいマーケティング方法であればあるほど説明が複雑なので困ってしまいます。
こんな時にどんな資料があったら有益でしょうか。例えば、稟議に上げるための高校生でもわかるレベルの企画書だったり、費用対効果を示す事例集かもしれません。ポイントは、ペルソナをイメージしてその人の立場になって見返りを求めないスタンスでオファー資料を作ることです。「そんなことをしたらノウハウだけ持っていかれる」と思うかもしれません。確かにそういう人もいます。しかし、これはWeb上でのコミュニケーションなので、1対多数です。つまり、100人にダウンロードしてもらい、5%の人から問い合わせをしてもらえればいいのです。不思議なことに、社名をほとんど乗せてないようなインバウンドマーケティングサイトを展開しても、有益性のあるコンテンツを提供すればするほど問い合わせはたくさん入ってきます。

Convert成功への道:SETP3
リードを呼び込むCTAづくり

さて、魅力的なオファーを作ってもリードに見てもらわなければ意味がありません。そこで大切なのが、リードを呼び込む導線づくりです。これをCTA(Call to Action)といいます。よくある失敗例が「お問い合わせはこちらをクリック」といった簡素なボタン(バナー)です。これでは、なかなかリードを呼び込むことができません。そのボタン(バナー)をクリックすることによって得られるメリットをしっかりとデザインに落とし込む必要があります。例えば、下記のWebデザインを見てください。

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※エンジニアを応援するお役立ちサイト「デバイスプラス」 http://deviceplus.jp/

このコンテンツサイトの右枠にあるようなバナーをCTAといいます。記事コンテンツと連動していますが、このボタンをクリックすることによるメリットがきちんとデザインされています。このように、リードが魅力的に感じるバナーをデザインしましょう。なお、このCTAはリード化されたペルソナがサイトで再来訪する時に、自動的に切り替えることも可能です。例えば、vol.1のオファーダウンロードしたペルソナが再来訪した時には、vol.2のCTAを表示させることができます。なぜこのような機能があるのかについては、別の記事でお話ししますが、テクニカルな話をするとクッキーを使っているので実現できます。こういう機能をスマートCTAという言い方をします。

Convert成功への道:SETP4
意外と大きいランディングページの役割

さて、魅力的なオファーづくりと、そのオファーがダウンロードできるページへの導線であるCTAの説明をしました。次は、クリックした先のページ、LP(ランディングページ)についてです。デバイスプラスというWebサイトのLPを見てみましょう。

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※エンジニアを応援するお役立ちサイト「デバイスプラス」 http://deviceplus.jp/

サイトの左側は、この資料をダウンロードすることで得られるメリットが一目でわかるよう、目次や一部の画像紹介などを使ってデザインされています。そして、すぐにアクションを起こせるよう右側にフォームが作られています。「何だろう?」という興味を持ったリードがCTAによってランディングページに導かれ、得られるメリットを確認した上で、フォームに記入する。LPは、こうした一連の流れをスムーズに完結できるキャッチコピーやデザインで構成したいものです。

Convert成功への道:SETP5
フォーム作成にはコツがある

続いて、フォームについてです。先ほどご覧頂いたLPの右側にプロフィール情報を入力するフォームがあります。フォーム作成のポイントは、いかにペルソナにストレスを感じさせないかに尽きます。Hub Spot社の発表によれば、初めてプロフィール情報を入力してもらう際には、3~5個の項目について入力してもらうのが良いとのこと。私が実際に担当しているBtoB企業様でもほぼ同じ傾向と言えます。記入量が多いとストレスを感じて入力しないままに離脱されてしまうので注意しましょう。なお、ペルソナが見積もり依頼や製品購入を検討している直前の状態であれば、項目を多めに聞いてもよいでしょう。
ちなみに、プログレッシブフォームという便利な機能がマーケティングオートメーションツールに搭載されていることもあります。「Progressive:プログレッシブ」とは「革新的な」という意味ですが、これもマーケティングオートメーションのテクノロジーの一つです。例えば、10個のプロフィール項目を一度に全て聞き出さなくても、再来訪してもらう度に少しずつ入力してもらいます。初めてオファーダウンロードする時は、メールアドレスのみ。2回目に来訪してもらったら、職種と業界情報。3回目は会社名と決裁権の有無、というようにスマートCTAの仕組みと同じように、アクセスする度に自動的にフォームを変化させていく機能です。段階的に情報を集めていくことで、それまでは匿名に近かったペルソナの具体像が見えてきます。なお、後日メールマガジンを送ることになるので、個人情報取り扱いの表記もお忘れなく。

Convirt成功への道:SETP6
サンキューページでちょっとひと押し

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※エンジニアを応援するお役立ちサイト「デバイスプラス」 http://deviceplus.jp/

最後に、サンキューページについて。プロフィール情報を入力し送信ボタンを押してもらうと、ペルソナはオファーをダウンロードできるページに進みます。これをサンキューページといいます。オファーの提供の仕方は他にもあります。送信ボタンを押してもらったあとに自動返信でメール送信して、メールのURLからダウンロードしてもらうようにすればデタラメなメルアドではないことを確認する意味で有効です。この時に、オファーをダウンロードしてもらうことに対する御礼を言うことは当然ですが、サイト内をさらに回遊してもらうために、他のおススメ記事や類似のオファーダウンロードを促すコンテンツをシンプルに紹介しておくと、さらに詳細なプロフィール情報を入力してもらえることになります。また、簡単な連絡先情報も盛り込んでおくとよいでしょう。但し、ここで「お問い合わせをお待ちしています」などの営業的なコメントは不要です。「お困りのことがあればお気軽にご連絡ください」や「他に必要な情報があればお申し付けください」くらいでOKです。あくまでも、リード自身が主体的に情報を求めた結果、問い合わせをしてくるという状況を作ることが理想です。

ここまで、長文となりましたが、リード化のイメージが具体的に描けるようになりましたでしょうか?
次回は、Close(顧客化する)編についてお話しします。

インバウンドマーケティング導入ガイド入門編Vol.4

ライタープロフィール

エリアシ編集部

梅木 俊成 《エリアシ副編集長》

BtoB/CRM/DMP/オムニチャネル/通販/EC領域を中心に、半導体や製薬、アパレル等
様々な業界でデータ分析に基づいた戦略設計・戦術プランニングから実施・効果
検証までワンストップで担当。近年はHubSpotやPardot等のMAやSFA導入に注力。

大阪市インキュベーションアドバイザーとしてベンチャー企業の支援を行う(ほぼボランティア)。学生時代はスリムだったが、現在は体重0.1t。ライザップのCM出演オファー待ち。

  • ※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
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インバウンドマーケティング 導入ガイド入門編vol.1

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