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「育成型」の新卒採用は、「押しつけない」情報提供が決め手!

~インバウンドリクルーティング入門<vol.2>~

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前回のインバウンドリクルーティング入門vol1では、インバウンドリクルーティングを始める前の組織の問題や新卒採用状況の実態、デジタル活用の必要性等を中心にご紹介しました。
連載記事となる本記事vol.2では、いよいよインバウンドリクルーティングという考え方についてご説明します。

インバウンドリクルーティングという考え方とは?

インバウンドリクルーティングとは、学生のネット検索行動に合わせて学生が就活で必要とする情報を提供することで、指名検索しない学生にネット上で見つけてもらい、企業の魅力を理解してもらい、実際のアクションとしてリクナビ等の求人メディアにプレエントリーしてもらい、結果、本エントリー(ES提出)にまで進んでもらうという、「向こうから入ってきてもらう」スキームを指します。もともとは、アメリカのボストンに本社がある「HubSpot」というマーケティングソフトウェア会社が提唱する「インバウンドマーケティング」という考え方の応用編です。
この手法を導入することで得られる具体的なメリットは、プレエントリー数が増加することと、プレエントリーから本エントリー(ES提出)までの転換率が向上することです。

<インバウンドリクルーティングの2大メリット>

  • プレエントリー数が増加すること
  • プレエントリーから本エントリー(ES提出)までの転換率が向上すること

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50%~70%が本エントリーに至らないという事実

複数社のプレエントリーから内定までの数字の推移を分析して驚いたのは、プレエントリーした学生の約50%~70%の学生が本エントリーに至ってないという結果であったということです。たとえば、1,000人のプレエントリーがあっても、実際に本エントリーをする学生は500人~300人となります。業種やブランド認知の状況等によって大きく異なるのかもしれませんが、さまざまな業態かつ複数社での調査を実施したところ、平均するとこのような驚きの数字となりました。
この採用ステップを図式化すると、以下のような急激な先細りのイメージになります。

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原因は、新卒向け求人メディアへの登録時にある

ところで、リクナビやマイナビ等の新卒メディアに登録する学生が、まず起こすアクションとは何かご存じでしょうか? それは「一括エントリー」です。人気企業はプレエントリーを締め切るのが早いため、本当に就職したいかどうかは別として、学生たちはとにかく気になる企業には仮エントリーをするのです。
これは、いったい何を意味するのでしょう。そこまでの興味もないのにとりあえず仮エントリーするということは、メールDMを送る等してきちんと自社の理解を得ることができてなければ、学生は本エントリー(ES提出)に進むことはないということです。求人メディア側でも、このような一括エントリーによる弊害を少しでも排除するための仕組みやシステムを導入してはいますが、学生視点での本質的な行動に変わりはありません。つまり、一括エントリーシステムがあろうがなかろうが、学生たちは少しでも興味があればとりあえずプレエントリーはしてしまうのです。

しかし、よく考えてみると、そんな「軽いプレエントリー」をするとは言え、これらの学生の質が決して悪いわけではないでしょう。だいたいにおいて、何がきっかけであれ学生がプレエントリーした後、つまり学生の連絡先を入手して接点を持つことができる状態にあるにも関わらず、きちんと対応できてない採用企業側のアプローチに課題があるのです。

売り手市場?大手志向?少子化? とにかく母数が毎年減少する!

どの企業でも、年々アプローチする学生の母数が減少することに対して切実に悩んでいます。事実、毎年同じようにマスメディアを使ったブランディングをしている企業でも、母数は減っているのです。もちろん、それには少子化等、さまざまな要因があると考えられます。
しかし、ひとつ言えることがあります。根本的な原因は、企業側の業務内容の理解が得られてなかったり、魅力が十分に伝わってないということです。テレビや新聞、ネット広告等で大量リーチ獲得するという対策もひとつの解決方法ですが、それが有効なのは予算もあり認知度の高い一部の大手企業だけです。
だからこそ、ここで改めてご紹介したいのが冒頭の「インバウンドリクルーティング」という考え方です。母数を増加させるということはリーチを拡大させるという発想になりがちですが、少子化の現在、企業間では同じパイのシェア争いになっており、これからますます激化していくことはいうまでもありません。だからこそ、限られたパイの中でどのように戦うかということを真剣に検討していく必要があります。つまり、企業の魅力を伝えたい学生にだけ伝え、転換率を下げないどころか向上させていくことが重要なのです。

転換率低下を防ぐためには、押しつけない「育成型」の情報提供が大事

プレエントリーからエントリーに進むにつれ、学生の母数が減ることは前述の通りです。わかりやすく表すと、以下の図における赤い部分が離脱してしまった学生たちです。

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インバウンドリクルーティングという考え方では、プレエントリーの母数を増加させるために、エントリーしてほしい学生像(ペルソナ)を具体的に設定します。そして、就活の中でさまざまな企業を調べる学生を説明会に参加させるように、マーケティングオートメーションという機能を使うことで人的パワーで細かくケアしていく作業を極力排除しながらも、効率的にその学生たちの興味を惹きつけるような情報発信をすることで、ほかの企業に浮気させない手法をとります。言い換えれば、限られたパイである学生たちに「育成型」コミュニケーションを仕掛けていくこととも言えるのです。

本記事のまとめ

  • インバウンドリクルーティング(IM)とは、情報提供を押しつけない「育成型」コミュニケーション
  • マーケティングオートメーション機能を使って、効率的に学生を育成していくことができる
  • IMによって、プレエントリー数の増加と本エントリー(ES提出)までの転換率の向上につながる

さて、今回のインバウンドリクルーティング入門vol.2では、学生のプレエントリーから本エントリーまでの動きや実情、それに対してインバウンドマーケティングという考え方、つまり「育成型」コミュニケーションが非常に有効であることをご説明しました。
次回からは、実際の事例を交えて、インバウンドマーケティングの実践方法について具体的にご紹介します。

続きの記事はこちら>>ポイントは、潜在的な段階から学生と関係を構築するコンテンツ発信

インバウンドマーケティング導入ガイド入門編Vol.4

ライタープロフィール

エリアシ編集部

梅木 俊成 《エリアシ副編集長》

BtoB/CRM/DMP/オムニチャネル/通販/EC領域を中心に、半導体や製薬、アパレル等
様々な業界でデータ分析に基づいた戦略設計・戦術プランニングから実施・効果
検証までワンストップで担当。近年はHubSpotやPardot等のMAやSFA導入に注力。

大阪市インキュベーションアドバイザーとしてベンチャー企業の支援を行う(ほぼボランティア)。学生時代はスリムだったが、現在は体重0.1t。ライザップのCM出演オファー待ち。

  • ※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
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インバウンドマーケティング 導入ガイド入門編vol.1
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