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デジタルを有効活用!売り手市場でも選ばれる、「育成型」の新卒採用とは?

~インバウンドリクルーティング入門<vol1>~

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2015年頃から、さまざまな企業の広報・宣伝またはマーケティング部から、広告代理店への新卒採用のご相談が急激に増加しました。従来の大手求人メディアだけでは限られた母数の取り合いに勝てないため、各社でWEBを活用した独自の新卒採用プロモーションが急増していることが背景にあるようです。
今回の記事では前編・後編にわけて、最近の新卒採用状況の実態や、デジタルを有効活用した「育成型」の採用方法である「インバウンドリクルーティング」という手法をご紹介します。

売り手市場で学生に選ばれない! 量は来るけど質を高めたい!

まず、各企業に共通する新卒採用の悩みは、「新卒専用メディアに出稿しても母数が集まらない」、「合同企業説明会に出ても閑古鳥状態(とくにBtoB企業に多い)」、「量は来るけど質の改善をしたい」ということです。こういった問題を解決するために、昔からマスメディアを活用したブランディング活動、とくに大手企業を中心に「社名認知の獲得(狭義のブランディング)」や「業務内容の理解」を得ることを目的とした取り組みが行われてきました。ここ数年前からは、大手企業はもちろん、中堅企業も新しい取り組みを始めています。

就職意向を向上するためには「段階」がある

ところで、学生の就職意向を高めるためには「段階」があります。以下の図は、学生が企業認知をしてから就職意向が高まりエントリーをする直前までの心理変容をまとめたものです。つまり、認知段階をアップさせることが就職意向の向上につながると言えるのです。根本的には、企業そのもののブランディングをする必要があるでしょう。

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まず、学生の就職意向を高めるためには、認知の獲得段階から進めていく必要があります。自分たち企業を知ってもらわなければ、リクナビ等の新卒メディアで検索してもらうにも時間がかかってしまいます。認知獲得で最もリーチ効率が高いメディアは、テレビCMということになるでしょう。また、近年ではYoutube等の動画CMでアプローチすることも一般的になってきました。とは言え、学生の認知獲得のために、テレビCMや新聞広告等にいったいどれだけの予算をかければいいのでしょうか? マスメディアへの出稿や大量のWEB動画を実施する予算が、果たして社内で獲得できるのでしょうか。きちんとそれだけの予算を使うだけの理由や根拠がなければ、そもそも社内稟議は通らないのが実情ですし、実際のところ大企業を除くほとんどの企業は難しいのが現実だと思われます。
しかし、デジタル等のテクノロジーが発展している昨今、それらの方法だけが良質でミスマッチをしない新卒採用の考え方とは言えなくなってきています。

マーケティング担当(またはWEB担当)とタッグを組んで採用戦略!?

実は、ここ数年で人事部の採用告知手法に変化が出てきました。それはマスメディアと比べコストが低い自社ウェブサイト(オウンドメディア)の活用方法です。単に社員紹介やバーチャル工場見学のようなコンテンツ発信で認知拡大と内容理解を行うことだけではありません。検索エンジンの特性(新基準のSEO対策)を考慮したコンテンツの発信や、マーケティングオートメーションと呼ばれるソフトウェアを活用して、表層的な会社のイメージの誤解を払拭したり、学生(読み手)の気持ちを考慮して押し付けないように少しづつ関係性を深めていく育成型(エンゲージメント型)のコミュニケーションを導入し始めたのです。

このコミュニケーション手法は、社内で営業支援をしているマーケティング部(またはWEB担当者)と横断チームを作ることからスタートします。「広報視点」と「新卒採用視点」を組み合わせた戦略を実施していくことが今までの人事担当だけでは実現できなかった注目のポイントです。
人事部は、新卒採用までのリクナビの使い方や説明会運営方法、履歴書のチェック、内定者フォロー等の人事戦略は当然専門分野ですが、テレビや新聞、またはネット広告を使った認知拡大等、広報宣伝部の担当者が専門とするマーケティング戦略は得意ではありません。しかし、マーケティング部はこの分野が得意です。つまり、足りない部分を補完するという動きをしているということですね。

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予算確保のポイントは、若年層向け広報活動と採用活動を合体させることだった!

それでは、横断した部署でチームを組み、どのような戦略を実施しているのでしょうか。ほとんどのケースに共通するのは、マーケティング担当は「18歳~34歳の若年層への認知獲得」、人事担当はこの若年層の中に含まれる「大学生や大学院生を獲得する人事戦略」を行っているという点です。つまり、広報と採用の考え方を合体させ、若年層に向けて効率的・効果的に活動しているのです。

なお、人事部がマーケティング部とタッグを組むべき理由は実はほかにもあります。これは、人事部門として社内での予算獲得につながる方法にもなるので、ぜひ参考にしてください。それは、「採用単価の高騰」に対する対策です。
複数の求人メディア社の担当者に独自調査したところ、2016年で新卒の求人コストは合同企業説明会等も含めると、大小の規模の違いはありますが年間90万円~5,000万円ほどとのことでした。ただし、求人メディアに1,000万円以上のコストをかけることができているのは一部の大手企業のみです。ほとんどの企業は、平均100万円~300万円の間にとどまっています。しかし、驚くべきはこれを一人当たりの入社単価に落とし込むと、50万円を超えてくるようになっているという実態です。
このように、人事部としての通常予算だけでは良い人材の確保が難しくなってきたため、デジタルを活用した新しい新卒採用マーケティングを導入することで、予算確保の問題を解決しているのです。

※参考サイト:東洋経済ONLINE『企業が新卒採用に投じる「1人50万円」の中身』より

 

本記事のまとめ

  • 新卒採用単価は、近年高騰している。1人当たり50万円を超えることも
  • マスメディアと比べ、コストが低い自社ウェブサイト(オウンドメディア)活用の動きが高まっている
  • 人事部とマーケティング部のタッグが、予算確保と戦略の相互補完につながる

今回のインバウンドリクルーティング入門vol.1では、インバウンドリクルーティングを始める前の組織の問題や新卒採用状況の実態、デジタル活用の必要性等を中心にご紹介しました。
次回は、いよいよインバウンドリクルーティングという考え方についてご説明します。

 

続きの記事はこちら>>「育成型」の新卒採用は、「押し付けない情報提供」が決め手!

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ライタープロフィール

エリアシ編集部

梅木 俊成 《エリアシ副編集長》

BtoB/CRM/DMP/オムニチャネル/通販/EC領域を中心に、半導体や製薬、アパレル等
様々な業界でデータ分析に基づいた戦略設計・戦術プランニングから実施・効果
検証までワンストップで担当。近年はHubSpotやPardot等のMAやSFA導入に注力。

大阪市インキュベーションアドバイザーとしてベンチャー企業の支援を行う(ほぼボランティア)。学生時代はスリムだったが、現在は体重0.1t。ライザップのCM出演オファー待ち。

  • ※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
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インバウンドマーケティング 導入ガイド入門編vol.1
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