• B to Bマーケティング

展示会担当者と営業部門がしっかりタッグを組める組織作りとは?

~BtoB企業の見込み客開拓のお悩み解決!~<vol.1>

kousho

(悩み)一生懸命集めた見込み客リストを、営業がフォローしてくれない

このような話が、BtoB企業の展示会担当者の声としてよく聞かれます。
実際に、毎年幕張メッセで行われるような大型イベント「CEATEC JAPAN」等で、来場者にアンケートに答えてもらってBANT条件とよばれるようなニーズを聞き出し、後日メールやDMまたは電話でのフォローをするという一連の作業は、BtoB企業にとっては主となる見込み客開拓作業です。小型イベントの展示会も、業種ごとにさまざまな場所で実施されていますが、目的は同じです。
しかし、このようにして多くの社員を巻き込み、展示会担当者が一生懸命集めたリストを、営業担当は活用してくれているのでしょうか。

「営業担当がきちんとフォローしてくれない」
「フィードバックさえしてくれない」

これが、展示会担当者(またはマーケティング担当者)が漏らすもっとも多い悩みです。
なぜ、営業担当が使ってくれないのか。その原因は何でしょうか。
答えは、とてもシンプルです。

「売れないから」
「リストがホットではなく、コールドだから」

つまり、営業担当がリストを無視しているのではなく、展示会担当者(マーケティング担当者)が営業が置かれている状況をきちんと把握共有せずに、展示会で集めたリストを渡していることが多いからです。
一般的に、新規開拓の労力は既存顧客に対する営業にかかる労力の5倍(※1:5の法則Fred Reichheld/フレデリック・ライクベルト氏が提唱)と言われています。日々売上数字に追われ、フォローしなければならない得意先がある状態の中で、営業担当が新規開拓する労力は大変なものです。
そのような忙しい状況の中で、ある程度の受注確度が見込める状態、つまりホットリストであれば営業担当もやる気になるかもしれませんが、受注につながらないケースは多々あります。きちんと営業担当にフォローしてもらうために、展示会担当(マーケティング担当)としてすべきことをできているか確認してみましょう。

展示会担当者起点ではなく、営業起点であらためて考えてみよう

営業に見込み客リストを渡す前に、実施すべき5つのチェック項目

  • 見込み客リストの確度を、営業に渡す前に確認できているか?
  • もともと営業が持っている顧客リスト(過去アプローチも含め)と被りがないか?競合ではないか?
  • それぞれの見込み客リストが求めているニーズを整理できているか?
  • その営業の担当している顧客企業が何社で、売上をいくら持っているか把握しているか?
  • 展示会を実施する前に、そもそも営業と一緒にKGI/KPIをすり合わせしているか?

上記のような作業を、展示会担当(マーケティング担当)として実施することが必要です。
しかし、このような事前作業をするには、営業の要望を定期的に確認して進めていく必要がありますよね。確かにこれは手間がかかる作業ですが、見込み客リストをきちんとクリーニングしなければ営業がきちんとフォローしてくれないことを理解している展示会担当(マーケティング担当)の方は、数多くいらっしゃると思います。
この課題を解決するために、近年BtoB企業で新しい組織づくりが始まっています。それは、「デマンドセンター」とよばれるマーケティングと営業が一緒になったプロジェクトチームをつくることから始めることです。いきなり部署化するのは難しくても、まずはプロジェクト単位でスタートすることでつくりやすくなります。

「デマンドセンター」とは何か?

まず、見込み客を呼び込み、受注し、顧客フォローするまでの一連のフローを以下で確認しましょう。
デマンドセンターとは、この一連のフローについて、社内で活用できるさまざまなデータをデジタル技術を活用して連動させ、デマンドジェネレーションをしていく組織(チーム)を指します。

<デマンドセンターが管轄する範囲>
demand_center

デマンド(Demand:案件)をジェネレーション(Generation:生成/創出)していく組織(チーム)、つまり、BtoB企業にとっては「案件を創り出していく役割」を持った組織を指します。

※なお、図内下段にインバウンドマーケティングシステムとありますが、これについては別の記事で改めてご紹介させていただきます。

デマンドセンターを立ち上げるための理想と現実

この記事をお読みの方は、「データを活用して、よい案件づくりをする組織を立ち上げたい!」と既に考えついているかと思います。しかし、そのを立ち上げることによる投資と費用対効果が見込めない以上、稟議を上げて予算確保することは難しいでしょう。大手企業はダイナミックに予算化することも可能かもしれませんが、中堅規模以下の企業はさらに難しいはずです。
ですので、デマンドセンターをいきなり組織化するのではなく、まずはプロジェクト単位で小さくスタートしてPDCAを回し、成果を出してから具体的な社内交渉を実施していきましょう。ポイントは、WEB担当者と新規開拓を担当している営業担当者または展示会担当者がチームタッグを組むことです。

営業起点で考え、売上UPを全社で取り組むために

営業担当の置かれている状況は、先ほどご説明しました。しかし、どんなに忙しい状況であっても、新しい売上を出すための努力は全社で取り組まなければなりません。そこで、まずデマンドセンターを立ち上げるためのポイントを以下に列挙しますが、この実現のためには企業体質もおおいに関連してくるので、その状況によって進め方を考えましょう。

①役員クラスを巻き込む

「役員クラス」とは、複数の部署を横断して指示することができる立場にある人という意味です。経営者を含む役員層の方たちは、常に売上向上のためにさまざまな判断をしています。当然、売上が上がる取り組みのためであれば前向きに検討します。しかし、現場担当者と経営者または役員層との温度感の違いはどの企業でもよくある話です。
また、現場営業は自分の部署または個人に割り当てられた売上数字に、マーケティング部門は効果的なメディアや展示会の進め方に没頭しています。とくに、マーケティングオートメーションはマーケティング部門の方が窓口となるケースが多いのですが、私が支援させていただいているBtoB企業の多くは、圧倒的に営業サイドが力を持っているケースが多いため、なかなか現場ベースで話を進めることが難しいのです。では、このような現場ベースで話を進めるときに実際に成功した事例を次にご紹介します。

②マーケティング部門だけで完結する ※とくに大手・中堅企業

これは、本コンテンツサイトの中でもご紹介している「インバウンドマーケティング」という考え方で、マーケティングオートメーションを活用した有益なコンテンツを発信することです。つまり、広報や宣伝の一環としてインバウンドマーケティングをマーケティング部のみで実施し、見込み客開拓をして、見込み客から営業部へ問い合わせが入るようにしてしまうということです。
このインバウンドマーケティングの究極は、コンテンツを最大限活用することで見込み客に見つけてもらい(集客)、買いたい気持ちにさせて(育成)、問い合わせを誘発し、営業部に問い合わせをしてもらうことです。展示会担当(マーケティング担当)の方は、従来通り、展示会参加者の名刺リストを営業に渡すことになりますが、その前に名刺情報をマーケティングオートメーションのデータベースに登録してメルマガ会員になってもらうことを促します。このときのポイントは、営業が「邪魔しないでくれ」と言ってくるケースにどう対応するか?です。これは、「いわゆるお役立ち情報コンテンツを提供するだけであって、こちらから営業部をスルーして営業活動をするようなことはしない」ときちんと伝えることで解決します。または営業にとって損害の無い完全な新規のリストに対してメールマーケティングをしていくことも営業にとってはストレスが少ないです。

③営業部門だけで完結する

もしもこの記事を読んでくださっているあなたが営業担当であれば、ぜひマーケティングオートメーションシステムに名刺登録することから始めてみてください。というのも、私の過去の経験でも、マーケティングオートメーションやインバウンドマーケティングということに営業が興味を持ってくれるケースは非常に少ないためです。
ただし、例外もあります。BtoB企業には、基本的にマーケティング部といった部署はほぼありません。あっても広報部くらいです。しかし、営業部の中に営業企画部という営業アシストや展示会を担当補佐する部門が存在する場合があります。営業担当は日々の業務がありますが、営業企画部に対してこのマーケティングオートメーションやインバウンドマーケティングという考え方の存在を伝えてください。そのうえで、勉強会講師としてぜひ私にお声がけください!(笑)。ご一読頂きありがとうございました。

インバウンドマーケティング導入ガイド入門編Vol.4

ライタープロフィール

エリアシ編集部

梅木 俊成 《エリアシ副編集長》

デジタルマーケティング担当。
Hub SpotやEloqua、Marketo等のMAを活用したBtoBマーケティング施策や通販向けダイレクトマーケティング、流通向けオムニチャネル戦略等の分野を担当。

大阪市インキュベーションアドバイザーとしてベンチャー企業の支援を行う(ほぼボランティア)。学生時代はスリムだったが、現在は体重0.1t。ライザップのCM出演オファー待ち。

  • ※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
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インバウンドマーケティング 導入ガイド入門編vol.1

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